治験コーディネーター(CRC)の仕事内容は看護師や臨床検査技師、薬剤師などと違い、専門学校や大学などで学ぶのではなく、会社に入社した後にその会社で教育・研修を受けることになる。つまり治験コーディネーター(CRC)の研修を受けたいと思った場合は、まずは治験の会社から内定を取得することが必要になる。
治験コーディネーター(CRC)の仕事に求められるスキルは非常に多様だ。看護師は薬の知識やビジネスマナー、臨床検査技師はカルテの判読スキルや被験者とのコミュニケーション力、薬剤師は病院の仕組みや異常値の読み取り能力などの各々に足りない知識やスキルを埋める必要がある。
EP綜合、シミックヘルスケア・インスティテュートやノイエスなどの大手の治験会社は入社時に1~3週間の治験コーディネーター向けの導入研修を行っている。 研修内容の一例としては「治験・臨床試験に関する法令・指針」「臨床薬理学概論」「臨床検査概論」「治験事務局業務」「治験薬概要書と治験実施計画書の読み方」「ンフォームド・コンセント」「症例報告書記載方法」などがある。
入社後の研修も盛んで月に1~2度の継続研修を行っている会社が多いようだ。研修内容の一例としては「医学英語」「医薬品重篤副作用(SJS/TEN)」「補償と賠償/ICH-GCPとJ-GCPの違い」などがあり、薬と治験についてより専門的な知識を身につける内容となっている。
また、文部科学省や厚生労働省、日本病院薬剤師会、日本看護協会、日本臨床衛生検査技師会などが治験コーディネーター向けの研修や養成講座を開催してる。研修内容の一例としては「新医薬品の開発」「医薬品の治験に関する制度とGCPについて」「治験コーディネーターの業務」「有害事象への対応と補償・賠償」「医療機器の治験」「モニタリング・監査の実際」「治験事務局の業務」「IRB審査」などがある。
治験コーディネーターは医薬品の第一線で治療全体の進歩の一部分を担う仕事であるため、常に薬やGCPなどの治験に対する向学心を持ち、自己啓発が必要な仕事だ。国や治験会社もさまざまな研修を通してバックアップしてくれているので大いに利用したい。
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教育研修
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教育制度を知る
NEUES(ノイエス)の採用情報ページです。こちらではノイエスの教育制度について掲載しています。
http://www.neues.co.jp/recruit/education/ - ノイエス
教育研修システム
日本SMO協会では、CRC及びSMAの業務に必要な能力の向上を図ることを目的として、協会会員企業の治験コーディネーター(CRC)及び治験事務局支援担当者(SMA)教育研修の実施基準や、協会公認CRC及びSMA制度を定めています。
http://jasmo.org/expart/training/index.html - 日本SMO協会
日本臨床薬理学会の認める研修会・講習会
日本臨床薬理学会の認める研修会・講習の一覧です。
https://www.jscpt.jp/seido/crc/kensyu_list.html - 日本臨床薬理学会
ICR臨床研究入門
医師やCRCのみならず、疫学者や基礎研究者、研究補助の方、施設倫理審査委員会委員など臨床研究に携わるすべての方が臨床研究方法の基礎を自らの机の前で学ぶための教育コースです。
https://www.icrweb.jp/icr_index.php - ICR臨床研究入門 - オススメの記事
治験コーディネーターの研修①
■治験とは
新しい薬を開発し、医薬品として販売するためには、事前に承認、認可してもらうことが義務づけられています。そのために、厚生労働省承認前の薬剤を患者や健康な人に投与して、有効性や安全性を確かめることが必要になります。この、「新薬開発」の為の「治療を兼ねた試験」のことを「治験」といいます
■治験コーディネーター(CRC)とは
厚生省令GCP第2条において、「治験実施医療機関において、治験責任医師または治験分担医師の下で治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師、臨床検査技師、その他の医療関係者をいう」と規定されています。 CRCは看護師、薬剤師、臨床検査技師、その他の医療関係者があたる事が多く、院長の承認を受け、治験依頼者(モニター)や医療機関内のスタッフ、治験責任医師、治験分担医師、治験薬管理者、検査部門担当者、医事課、病歴室スタッフ他ならびに、被験者との間を調整(コーディネート)する役割を担っています。
■臨床開発モニター(CRA)とは
厚生省令GCP第2条において、「治験が適正に行われることを確保するため、治験の進捗がこの省令及び治験の計画書に従って行われているかどうかについて、治験の依頼をした者が実施医療機関に対して行う調査をいう」と規定されています。CRAは薬剤師、MR、看護師、臨床検査技師、その他の医療関係者があたることが多く、治験に関する治験契約、モニタリング業務、症例報告書チェック・回収、治験終了の諸手続きなどを行います。このモニタリング業務は新GCPの二大目的が達成されているかどうかを確認する、最も重要なものになります。