続々と開発される新薬によって、数年前までは不治の病と言われていた疾患や大手術が必要だった病気が、完治が見込める疾患になったり、簡単な手術で直せたり、進行を遅らせたりすることが可能になってきている。絶え間なく進歩する診療技術とともに、この数年の間に病気を治す新薬の開発も飛躍的に発展している。
新しい薬を一般の人が使用できるようにするためには、約10年に渡る多くの工程が必要だ。最初は基礎研究や被臨床試験などによって、新薬の有効性や安全性を動物による試験で確認する。その後に臨床試験(治験)によって、薬の副作用の有無や適切な用量、安全性と有効性などを人間の体による試験で様々な角度から確認する。そして、ようやく世の中で使用するための許可が取得できるのだ。
治験をするためには主に新薬を開発する製薬メーカー、薬の有効性や安全性を検証する医者や看護師などの医療従事者、治験に協力する被験者の3者が関わる必要がある。これらの3者の間に入って治験がスムーズに進むよう調整する専門家が治験コーディネーター(Clinical research coordinator, CRC)だ!!
治験コーディネーター(CRC)の仕事内容は非常に広範囲に渡る。例えば、治験に参加する被験者に対して治験の目的やリスクについて十分説明を行い、治験に参加する承諾を得ること(インフォームド・コンセント/ICと略される)、被験者の相談や問い合わせへの対応、診察への同席、服薬指導、治験日程の調整、治験データの収集・管理、製薬メーカーへの報告、監査の対応など、治験に関わる全ての事柄と言っても良い。
治験は安全性が設計された薬を試すためのテストとはいえ、予期しない有害事象や副作用の発生などの様々なリスクがあることは否めないのも事実だ。したがって、治験コーディネーター(CRC)には被験者との面談やカウンセリング時における丁寧な説明や十分に納得した上での承諾、配慮のゆきとどいた心と体のケアや細かいアフタフォローなどが要求されることになる。
日本臨床薬理学会等の団体が治験コーディネーターの認定試験を設けているが、実は法律上は治験コーディネーター(CRC)になるために特別な資格取得は必要ない。しかし、治験コーディネーター(CRC)には医薬品に対する専門知識、被験者の状態変化に目を配る観察力・洞察力、診療機関の仕組みを理解した対応などが求められる。そのため、治験会社や製薬会社は看護師や保健師・臨床検査技師や薬剤師などの医療系の資格を持ち、病院やクリニックなどでの臨床経験がある方を優先して採用することになる。
治験コーディネーター(CRC)の仕事は、疾患で苦しみ、新しい薬を待ち続けるたくさんの人のために新薬開発の一部分を担うという、社会貢献性の非常に高い、やりがいの大きな仕事であると言える。だから、看護師や保健師・臨床検査技師や薬剤師などの医療資格を持つ者にとっては、治験コーディネーター(CRC)というキャリアの選択肢は常に人気があるのだ。
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治験コーディネーターとは①
■治験とは
新しい薬を開発し、医薬品として販売するためには、事前に承認、認可してもらうことが義務づけられています。そのために、厚生労働省承認前の薬剤を患者や健康な人に投与して、有効性や安全性を確かめることが必要になります。この、「新薬開発」の為の「治療を兼ねた試験」のことを「治験」といいます
■治験コーディネーター(CRC)とは
厚生省令GCP第2条において、「治験実施医療機関において、治験責任医師または治験分担医師の下で治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師、臨床検査技師、その他の医療関係者をいう」と規定されています。 CRCは看護師、薬剤師、臨床検査技師、その他の医療関係者があたる事が多く、院長の承認を受け、治験依頼者(モニター)や医療機関内のスタッフ、治験責任医師、治験分担医師、治験薬管理者、検査部門担当者、医事課、病歴室スタッフ他ならびに、被験者との間を調整(コーディネート)する役割を担っています。
■臨床開発モニター(CRA)とは
厚生省令GCP第2条において、「治験が適正に行われることを確保するため、治験の進捗がこの省令及び治験の計画書に従って行われているかどうかについて、治験の依頼をした者が実施医療機関に対して行う調査をいう」と規定されています。CRAは薬剤師、MR、看護師、臨床検査技師、その他の医療関係者があたることが多く、治験に関する治験契約、モニタリング業務、症例報告書チェック・回収、治験終了の諸手続きなどを行います。このモニタリング業務は新GCPの二大目的が達成されているかどうかを確認する、最も重要なものになります。