治験コーディネーターと臨床試験

過去には治験が適正に行われない時代があった。例えば、製薬会社が病院へ巨額の寄付をすることにより臨床試験の結果を都合の良いものになるよう操作したり、治験に参加する被験者の同意を得ずに臨床試験に参加させられたり、新薬の開発中止を恐れて治験の副作用を報告しなかったケースがあったようだ。

治験における不正は他にも治験を途中離脱した人を母数に含めないというものや、治験前に断薬させた後に投薬を開始する、データを改ざんするなどがある。

治験は人体を使用した実験であるが、イメージが悪いことから臨床実験、治療実験、人体実験などの「実験」が使用される言葉はあまり使われない。現代では戦前の人体実験の反省から、倫理的にも社会的にも人体実験とならないための非常に厳しい決まりが作られている。

これは、「医薬品の臨床試験の実施の基準(Good ClinicalPractice:GCP)」と呼ばれ、治験を行なうにあたって、倫理性(患者さんの人権と安全を守ること)と科学性(試験のやり方が適切であること)を確保するための守るべき基準を定めたものだ。

臨床試験に参加する被験者に対して適切なインフォームドコンセントが行われ本人の意思により治験に参加していることや、治験を行う医学的・科学的意義が確認され、リスクと利益が比較検討され、被験者のリスクを最小限にする努力がされていることなど、科学的に信頼できるデータと被験者の人権を擁護する倫理的な決まりを守ることが明記されている。

被験者の治験参加の同意取得は以前は口頭でも問題はなかったが、現在では説明責任をきちんと果たすために同意を書面でもらうインフォームドコンセントが不可欠となっている。

このように現代の治験は被験者の安全性を確保することが最優先になっており、治験実施にあたっては厳しい制度や規制が設けられているため、 副作用が発生した場合、迅速な対応がとれる体制が整っているなど極めて安全になっていると言える。

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治験

治験(ちけん、Clinical trial)とは、医薬品もしくは医療機器の製造販売に関して、医薬品医療機器等法上の承認を得るために行われる臨床試験のことである。元々は、「治療の臨床試験」の略であるという。従来、承認を取得することが目的であったため企業主導で行われてきたが、法改正により必ずしも企業の開発プロセスに乗る必要はなく医師主導でも実施可能となった。動物を使用した非臨床試験(前臨床試験)により薬の候補物質もしくは医療機器の安全性および有効性を検討し、安全で有効な医薬品もしくは医療機器となりうることが期待される場合に行われる。
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新薬の治験と臨床試験について(患者さん向け)国立がん研究センター中央病院

国立がん研究センター中央病院では、よりよい治療薬や治療方法を開発するめに、治験や臨床研究に取り組んでいます。このHPでは、治験や臨床研究について、国立がん研究センター中央病院で実施している治験・臨床研究について説明しています。
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/clinical_trial/info/clinical_trial/index.html - 国立がん研究センター
治験コーディネーターと臨床試験

治験とは
新しい薬を開発し、医薬品として販売するためには、事前に承認、認可してもらうことが義務づけられています。そのために、厚生労働省承認前の薬剤を患者や健康な人に投与して、有効性や安全性を確かめることが必要になります。この、「新薬開発」の為の「治療を兼ねた試験」のことを「治験」といいます

治験コーディネーター(CRC)とは
厚生省令GCP第2条において、「治験実施医療機関において、治験責任医師または治験分担医師の下で治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師、臨床検査技師、その他の医療関係者をいう」と規定されています。 CRCは看護師、薬剤師、臨床検査技師、その他の医療関係者があたる事が多く、院長の承認を受け、治験依頼者(モニター)や医療機関内のスタッフ、治験責任医師、治験分担医師、治験薬管理者、検査部門担当者、医事課、病歴室スタッフ他ならびに、被験者との間を調整(コーディネート)する役割を担っています。

臨床開発モニター(CRA)とは
厚生省令GCP第2条において、「治験が適正に行われることを確保するため、治験の進捗がこの省令及び治験の計画書に従って行われているかどうかについて、治験の依頼をした者が実施医療機関に対して行う調査をいう」と規定されています。CRAは薬剤師、MR、看護師、臨床検査技師、その他の医療関係者があたることが多く、治験に関する治験契約、モニタリング業務、症例報告書チェック・回収、治験終了の諸手続きなどを行います。このモニタリング業務は新GCPの二大目的が達成されているかどうかを確認する、最も重要なものになります。

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